DX推進に向けた取り組み
2024年7月1日制定/2026年7月改定
株式会社国際協力データサービス
代表取締役 松島 大介
デジタルと人の力が融合した未来に向けて
デジタル技術は、業務、組織、働き方、そしてサービスのあり方を大きく変えつつあります。技術が高度化するほど、情報を正しく理解し、相手の立場や状況を踏まえて判断し、信頼を築く「人の力」の重要性は増していきます。
当社は、デジタル技術を活用して、人と組織が持つ力を高めます。デジタル技術がもたらす利便性・生産性・正確性と、人と人との対話・経験・専門性を掛け合わせ、温かみのあるデジタルを実現します。また、現場を理解し、業務の流れを整え、価値が伝わり続ける状態まで伴走する「デジタルかかりつけ医」として、パーパスである「グローカルな未来社会の創発」と、ミッションである「ICTで縁ある人たちを幸せに」の実現を目指します。
DXビジョン
当社は1990年の創業以来、国際協力関連団体を中心に、システム開発、運用保守、情報インフラ、ウェブサイト、ヘルプデスクなどのICTサービスをワンストップで提供してきました。
これまでに培った経験、技術、業務知識、お客様との信頼関係を基盤として、データとデジタル技術を活用し、自社の業務・組織・サービスを継続的に変革します。そして、自社で実践した業務改善、AI活用、ナレッジ共有などのデジタル活用の知見を標準化し、お客様の課題解決と新たな価値の創出に還元します。
当社は、DXを通じて次の状態を実現し、「ICT未来創発リーディングカンパニー」を目指します。
- 社員一人ひとりが、専門性とデジタル技術を活かして挑戦と改善を続けられる
- 必要なデータを迅速かつ安全に活用し、適切な意思決定ができる
- お客様の課題の本質を捉え、期待を超える提案とサービスを提供できる
- AIやデジタル技術を、品質・セキュリティ・倫理に配慮して活用できる
- 自社で得た知見を標準化し、サービスと事業の成長につなげられる
ビジネスモデルの方向性
当社は、自社におけるDXの実践を起点として、そこで得た知見やノウハウを、伴走型IT支援の標準プロセス、AI活用の手順、ナレッジベースとして標準化・サービス化し、お客様のDX推進を支援する事業モデルを強化します。具体的には、次の循環を継続します。
- 自社やお客様の業務上の問題を発見する
- データとデジタル技術を活用して解決策を実践する
- 実践結果を評価し、改善する
- 有効な方法を標準化し、再利用できる形にする
- サービスとしてお客様に提供する
- お客様との実践から得た知見を、次の改善や新規サービスにつなげる
この循環を通じて、企画・提案から設計・開発、導入、運用、教育、定着、評価、改善までを一体として支援します。お客様の業務・組織・将来像を理解し、困ったときに相談できる存在として、継続的に価値を提供します。主な事業領域は次のとおりです。
- IT・DXに関するコンサルティングおよび伴走支援
- Claris FileMakerやkintoneを活用したローコード・ノーコード開発
- Microsoft 365をはじめとするクラウドサービスの導入・運用支援
- ウェブサイト、CMS、業務システムの開発・運用
- 情報インフラ、ネットワーク、認証基盤の構築・運用
- AI・生成AIの導入、活用、定着およびガバナンス支援
- 情報セキュリティ対策、教育、訓練
- DX・AI・セキュリティ人財の育成支援
- •業務アプリやプラグインなどの継続利用型サービスの開発
当社のDX戦略
1.業務プロセスの継続的な変革
当社では、勤怠管理、案件管理、各種申請・決裁など、社内業務のデジタル化を進めてきました。今後は、業務の目的、承認方法、役割分担、データの流れを見直し、業務プロセス全体を最適化します。あわせて、課題把握、設計、実装、定着、評価・改善から成る伴走型IT支援の標準プロセスを整備し、自社とお客様の実践で継続的に改善します。
各業務の状況を可視化し、二重入力、転記、属人化、確認待ち、手戻りなどを削減するとともに、定型業務の自動化やAIの活用を進めます。AIを活用した業務変革は、効果、品質、リスク、運用条件を検証する社内実証を通じて進めます。また、改善によって生まれた時間は、お客様への先取り提案、サービスの改善、技術の習得、新規サービスの開発など、付加価値の高い活動に振り向けます。
2.データの整備・活用
社内に蓄積されている案件、顧客、契約、売上、工数、人財、サービス利用状況などのデータを、経営や業務改善に活用できる形で整備します。必要なデータを迅速に把握できる環境を構築し、経営判断、事業計画、案件管理、人財配置、お客様への提案、サービス改善に活用します。
データの活用に当たっては、次の事項を重視します。
- データの管理責任と利用目的の明確化
- データの正確性、完全性、最新性の確保
- 適切なアクセス権限の設定
- 個人情報、顧客情報、機密情報の保護
- システム間の安全なデータ連携
- AIが利用するデータの品質と利用条件の確認
経営に必要な情報を適切なタイミングで把握し、迅速な意思決定と継続的な改善につなげます。
3.AIの戦略的活用
当社は、生成AIを、人の発想、判断、提案、サービス開発を支える経営・業務基盤の一つと位置付けています。文章作成、情報整理、調査、企画、システム開発、顧客対応、教育など、幅広い業務でAIの活用を進めます。自社での実証により得た効果と留意点を整理し、再利用できる業務手順として標準化します。
AIの利用に伴う情報の正確性、偏り、知的財産権、個人情報、機密情報などのリスクは適切に管理し、重要な意思決定や外部に提供する内容については、人が責任を持って確認します。
当社は、2025年9月1日にAI方針を制定し、AIの利用目的の明確化、リスクマネジメント、法令・契約事項の遵守、内部監査、マネジメントレビュー、継続的改善に取り組んでいます。2026年1月15日には、JIS Q 42001:2025(ISO/IEC 42001:2023)に基づくAIマネジメントシステム認証を、情報マネジメントシステム認定センター(ISMS-AC)認定の審査機関から取得しました。
今後も、AIを安心・安全に利用できる環境を維持するとともに、利用を許可した社内情報を適切に整備したAIナレッジベースの構築を進めます。そして、自社で培ったAI活用とガバナンスの知見を、お客様への支援に活かします。
4.DX・AI人財の育成
DXの実現には、すべての社員がデジタル技術やAIを理解し、自らの業務を改善する力を身に付けることが不可欠です。
当社では、iコンピテンシー・ディクショナリ(iCD)、成長シート、Will-Can-Mustシート(WCM)、フィードバック面談を活用して業務遂行能力や技術スキルを可視化し、職種や役割に応じた人財育成を進めています。2025年にはiCD活用企業認証「シルバープラス」に認定され、研修計画、スキルマップ、ISO 9001の力量評価などを連携させた継続的な人財育成に取り組んでいます。
今後は、iCDやデジタルスキル標準などを参考に、次の能力を重点的に育成します。
- デジタル・AIに関する基礎リテラシー
- 業務課題を発見し、改善策を立案する力
- データを読み取り、意思決定や提案に活かす力
- 生成AIを安全かつ効果的に活用する力
- 情報セキュリティと個人情報保護に関する知識
- AIを活用したシステム開発・業務改善力
- お客様の課題を捉えるヒアリング・提案・コンサルティング力
- 新しいサービスを企画、検証、改善する力
- プロジェクトを計画し、推進する力
資格取得、社内勉強会、外部研修、実践型プロジェクト、お客様との共同活動などを組み合わせ、学習した内容を実務上の成果につなげます。加えて、ベテランが持つ業務知識をマニュアルや動画などに整理し、適切に管理されたAIナレッジベースも活用して、新人・若手が自律的に学び、品質を維持できる環境を整えます。
5.お客様のDX推進支援
当社は、お客様の業務の背景、目的、制約、事業・組織の将来像を確認し、課題の本質を捉えた提案を行います。お客様のDX成熟度や組織体制に応じて、導入後の定着・改善まで伴走する次の支援を提供します。
- 現状の業務、システム、データ、課題の可視化
- DX・IT戦略、導入計画、ロードマップの策定
- 業務プロセスの見直し
- システム、クラウドサービス、AIサービスの選定・導入
- ローコード・ノーコードによる業務アプリの開発
- 情報インフラ、ID・認証、セキュリティ環境の整備
- 導入後の運用、定着、改善に向けた伴走支援
- 管理職、担当者、一般利用者向けの教育・研修
- AI活用ルール、リスク管理、ガバナンス体制の整備
- セキュリティ教育、訓練、インシデント対応力の向上
お客様自身が継続して活用・改善できる状態を目指し、定期的な対話、利用状況の確認、改善提案を通じて、導入後も伴走します。
6.新規サービスの創出
実践から得られたノウハウ・技術を、伴走型IT支援、AI活用、ナレッジ共有を組み合わせた新たなサービスや製品として展開します。新規サービスの開発では、お客様の課題の確認、仮説設定、試作、モニター利用、評価、改善を繰り返し、実際に利用され、継続的な価値を生み出すサービスを目指します。
また、生成AIを活用した開発、文書作成、テスト、情報整理などの手順を標準化し、開発の品質と生産性を高めます。アプリ、プラグイン、研修、伴走支援など、継続的に提供できるサービスを拡充します。
DX・AI・情報セキュリティのガバナンス
当社は、DXやAIの推進と、品質、情報セキュリティ、個人情報保護を一体として管理します。品質マネジメントシステム、情報セキュリティマネジメントシステム、AIマネジメントシステムなどを連携させ、次の活動を実施します。
- 業務、システム、AI利用に関するリスクアセスメント
- 法令、規制、契約事項、社内ルールの遵守
- システムおよびサービスの適切な選定・承認
- アクセス権限、認証、ログ、端末などの管理
- 社員への定期的な教育・訓練
- 内部監査およびマネジメントレビュー
- インシデント発生時の対応と再発防止
- 委託先、クラウドサービス、サプライチェーンのリスク管理
- マネジメントシステムの継続的な改善
新しい技術を積極的に活用しながら、情報資産、お客様、社員、事業を守る体制を強化します。
DX推進体制
代表取締役をDX推進の実務執行総括責任者、情報セキュリティ運用責任者をDX推進の実務責任者とし、経営層、実務責任者、各部門、各プロジェクトが連携する全社横断的な推進体制を構築します。
代表取締役(実務執行総括責任者)・経営層
- DXビジョンおよびDX戦略の決定
- 必要な経営資源と投資の判断
- 重要なリスクへの対応
- KPIおよび進捗状況の確認
- 戦略および推進体制の見直し
DX推進の実務責任者(情報セキュリティ運用責任者)・推進部門
- DX施策の企画および全体進捗の管理
- 部門間およびプロジェクト間の調整
- データ、AI、セキュリティ、品質に関する管理
- KPIの集計・分析および経営層への報告
- 課題やリスクへの対応
- 社内への情報発信および教育
各部門・各プロジェクト
- 現場課題の発見と改善提案
- DX施策および新規サービスの実行
- 導入した仕組みの運用と評価
- 成果、課題、改善点の共有
- 他部門やお客様への知見の展開
DX戦略の進捗、KPI、投資、リスク、改善事項は、DX推進の実務責任者が定期的に集約し、経営層が定期的に確認します。その確認結果を踏まえ、年次のマネジメントレビューで必要な意思決定と戦略の見直しを行います。また、ITベンダー、専門家、教育機関、地域、自治体、お客様などの外部パートナーと連携し、それぞれの専門性や知見を活かします。
DX戦略を支える環境整備
オンプレミス環境とクラウドサービスの特性を踏まえ、業務、データ、AI活用、セキュリティ、コスト、事業継続性の観点から、適切なIT環境を整備します。データ連携・可視化、AIナレッジベース、認証・アクセス制御を、DX戦略を支える共通基盤として段階的に強化します。
- クラウドサービスと社内システムの適切な使い分け
- ID、アカウント、認証の統合とアクセス制御
- 安全な情報共有とコミュニケーション環境の整備
- 業務データの連携と可視化
- 端末、ネットワーク、クラウドのセキュリティ対策
- バックアップ、障害対応、事業継続環境の整備
- システムおよびサービスの定期的な評価・見直し
- DX、AI、セキュリティへの継続的な投資
業務や技術環境の変化に応じて、IT環境を継続的に改善します。
DX戦略の達成状況を測る指標
当社は、DXの成果を、経営・事業、顧客価値、業務改善、人財・組織、ガバナンスの5つの観点から評価します。
経営・事業に関する指標
- DX・AI関連サービスの提案件数、受注件数、売上、利益
- 新規サービスの開発数・提供数
- 継続利用型サービスの契約数
- 新規顧客数および既存顧客との取引継続率
顧客価値に関する指標
- 顧客満足度
- お客様の業務における削減時間、処理時間、エラーの改善状況
- 導入したシステムやサービスの利用・定着状況
- お客様への改善提案数
- お客様のDX・AI人財育成の成果およびサービス活用の成果
業務改善に関する指標
- デジタル化・自動化した業務数
- AI・デジタル活用による削減時間
- 作業時間、手戻り、二重入力、エラーの削減状況
- 社内システムおよびAIサービスの利用率
- 社員が実感する業務改善効果
人財・組織に関する指標
- DX・AI・セキュリティ教育の受講率
- iCDなどによるスキル評価の向上
- 資格取得者数
- 業務改善、提案、サービス開発への参加者数
- 研修後の行動変容と実務上の成果
ガバナンスに関する指標
- リスクアセスメントの実施状況
- 内部監査およびマネジメントレビューの実施状況
- 情報セキュリティ・AI関連インシデントの件数
- 監査・点検で確認された課題の是正率
- 教育・訓練の実施率
これらの指標について年度ごとに目標を設定し、DX推進の実務責任者が定期的に進捗を集約します。経営層が定期的に達成状況と成果を確認します。確認結果を踏まえ、DX戦略、投資、推進体制、教育、システム、サービスを見直します。
これまでの主な取り組みと成果
2024年
- 経済産業省が定めるDX認定制度に基づく「DX認定事業者」に認定
- サイボウズ・オフィシャルパートナーに認定
- kintone開発サービスを刷新
- 学校・自治体向け申請支援アプリパックの提供を開始
- お客様向け定期ウェビナーの配信を開始
2025年
- iCD活用企業認証「シルバープラス」に認定
- AI方針を制定
- 生成AIの業務活用、教育、定着に向けた活動を推進
- 生成AIを全社展開し、継続的な社内勉強会を実施
- 新規サービスの開発・検証方法の標準化を推進
2026年
- JIS Q 42001:2025(ISO/IEC 42001:2023)に基づくAIマネジメントシステム認証を、ISMS-AC認定の審査機関から取得
- AI・セキュリティに関するお客様向け教育・研修(体験型ワークショップ「デジタル避難訓練」等)を実施
- AIマネジメントシステム認証取得の知見を、セミナー登壇や事例紹介を通じて発信
- AI活用、DX伴走、セキュリティを組み合わせたお客様支援を強化
今後の重点施策
今後は、次の施策を重点的に推進します。
- 生成AIを含むAIを活用した業務変革の定着・高度化と、実証で得た知見の標準化
- AIガバナンスと情報セキュリティの継続的な強化
- 経営、案件、顧客、人財に関するデータの整備・可視化と、意思決定への活用
- AIを活用した開発、提案、業務プロセスの標準化
- お客様に継続的な成果をもたらすDX伴走支援の強化、伴走型サービスメニューの強化
- Claris FileMaker、kintone、Microsoft 365などを活用したサービスの拡充
- アプリ、プラグイン、研修などの継続利用型サービスの開発
- DX・AI・セキュリティに加え、伴走型IT支援を実践できる人財の育成
- 外部パートナーやお客様との共創による新たな価値の創出
- KPIに基づく成果の評価とDX戦略の継続的な見直し
当社は、変化する社会、技術、お客様の課題に正面から向き合い、自ら実践し、学び、改善を続けます。デジタルと人の力を融合し、豊かな未来社会の創発に貢献してまいります。